こんにちは。えびちです。
「うぐいす粉」をまぶした「うぐいす餅」、グリーンピースを加工した「うぐいす豆」、「うぐいす餡」が入っている「うぐいすパン」…..。
日本人であればどれも馴染みのある(もしくは一回は聞いたことがある)食品たち。
これらに共通しているのは、「きれいな黄緑色をしている」ということです。
このような色を『うぐいす色』と言いますよね。
話は変わって、皆さんは『ウグイス』という鳥を知っていますか?
ちょっと頭の中で思い描いてみてください。
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さて、どんな姿、どんな「色」を想像したでしょうか。
もしかして、こんな鳥かな?
残念!コチラの鳥は『メジロ』でした。
うわ、いじわる〜。
羽の色はまごうことなき『うぐいす色』をしていますが、ウグイスじゃないんですね〜。
では、本物のうぐいすはというと….?
こんな見た目です。
あれ?なんか…….うん…..。
茶色じゃね??
茶色とまではいかなくても「茶色に限りなく近い薄〜い濃緑」といった感じです。
「うぐいす色っていうくらいだから、ウグイスは黄緑色なんでしょ?」
と思うことは、ごく自然なことです。
しかし、実際のウグイスを見たことがある方は、ウグイス=うぐいす色ではないことを知っているでしょう。
『ウグイス』と『メジロ』。
この二羽も見た目は全く違うのに『うぐいす色』のせいで度々間違われてしまいます。
なぜこんなにややこしいことになっているのでしょうか?
鳥に詳しくない人は「はぁ?」って感じだよナ。
そもそも『うぐいす色』の語源は、ほんとに鳥のウグイスからとられたのでしょうか?
なんだか気になるので、いろいろ調べてみました。
いっしょに見ていきましょう!
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『ウグイス色』の語源は?考えられる4つの説
本当のうぐいす色はこんな色
まずは公式の『うぐいす色』を貼っつけてみます。
あれ?こんな色だったんだ。
うぐいす餅はもっと鮮やかな気がするけど。
では、この色を例の鳥たちと比較してみます。
ドン!
うーん。やっぱりどちらかというと、メジロの色っぽい。
ウグイスを指して言っているなら、色がちょっと違うような….。
なぜこんなに鳥のウグイスとうぐいす色に見識の相違があるのでしょうか?
考えられる4つの説を紹介します。
『光の加減』説
一つ目は『光の加減』説です。
コチラの写真をどうぞ。
あれれ?このウグイスくんは最初の写真より色が鮮やかに見えますね。
渋い緑色をしています。
我々が知る『うぐいす色』と言われてもまあ…納得できるかも。
すごく単純な話ですが、光の加減・角度などによってきれいな黄緑色に見えたのではないでしょうか。
それが現在の『うぐいす色』と呼ばれるようになった、のかもしれません。
ちょっと無理やり感あるナ。
まあまあまあまあ。
『ウグイスのうんちの色』説
2つ目の説は、この記事のタイトルにもなっている『ウグイス色はうんちの色』説。
うんちといっても「ウグイスのうんち」です。
江戸時代、庶民の女性は美白のために糠(ぬか)に豆の粉を混ぜたりして洗顔をしました。
なんと、この洗顔料にはウグイスのフンも入れたというのです。
え、な、なんでフンなんか入れたんだ….?
ウグイスのフンの利用は平安時代からされていたと考えられています。
もっとも、最初は織物の汚れを落とすためだけに使われていたようで、美容品として広く用いられるようになったのは江戸時代から。
話は戻って、そのウグイスのフンの色が『うぐいす色』の語源だというのです。
ほんとかあ…?
もっとも、ウグイスのフンなんか見たことがないので確かめようがないのですが。
フンを見たことがあるラッキーな人は、本当に緑色だったかこっそり教えてね。
『徐々に色の認識がずれていった』説
3つ目の説は、考案された初期の「うぐいす色」はウグイス本体の色に近いものだったが、時間と共に誇張されていき現在の鮮やかな「うぐいす色」に変わっていった説。
自分はこの説がいちばん正しいんじゃないかな〜と思ってたりします。
本物を見たことのない層が 「春告げ鳥のウグイスは鮮やかな黄緑色に違いない!」 と思い込み(あるいはメジロと混同して)それがどんどん広がっていって…..結果、本物と違う『うぐいす色』が定着してしまったのではないでしょうか。
まあ、鮮やかな方が目立つし、話題性があるし、人々に好まれるし……わからなくもない話です。
うぐいす餡なんて、鮮やかな黄緑色の方が絶対美味しそうに見えます。
実際、「公式のうぐいす色」と「うぐいす色を謳う食品」を比べてみると意外と違います。
たしかに、俺たちがよく知ってる『うぐいす色』はメジロそっくりだな。
人々がどんどん好ましい色を作り上げ、ついには本当の色を忘れられてしまったウグイスくん。
なんだか寂しい話ですね。
『昔の人がメジロとウグイスを間違えた』説
最後の説は、意外と支持している人が多い説です。
間違えちゃったから『うぐいす色』はメジロの色を指している、ってわけネ。
根拠の一つに「花札のウグイスのイラストがメジロそっくりだから」という話がありました。
見てみましょう。
▲こちらが花札の一枚『梅に鶯(うぐいす)』です。
おなかが黄、背中が緑でクッキリ描かれていますね。
うーん、たしかに本物と色合いが違うような…。
どっちかっつーとメジロっぽいよな。
きっと昔の人は、ウグイスとメジロを間違ちゃったんですね!!!!
….と思ってしまうところですが、これ、落とし穴なんです。
例えば、ゾウのイラストは「水色」で描かれることが多いけど、実際は「灰色」。
ウサギの色は「ピンク」がしっくりくるけど、そんな色のうさぎはいません。
このように、「絵」というのは時として誇張して描かれるものです。
実際、花札の絵を見ると目が赤く描かれていますよね。
絵と違い、本物はウグイスもメジロも真っ赤な目なんてしていません。
ウグイスのイラストが本物と違うのは、おそらく「こうした方が美しいから」みたいなフワッとした理由でしょう。
これらのことを加味して考えると「この花札が昔の人がメジロとウグイスを間違えていた証拠だ!」とするのはちょっと不安かも。
さらに、昔はウグイスをカゴに入れて飼っていた人も多かったようで…。
そういえば、あの有名な3人の戦国武将もウグイスを飼っていましたね。
となると昔はそれくらい「間近」でウグイスの姿なり声なりを聞いていたことになります。
そんなに間近で見ていたのに、ウグイスとメジロを間違えるでしょうか。
…いろいろツッコみましたが、ほんとに昔の人が間違っちゃってた可能性もあるのでなんとも言えません。(笑)
どっちが本当かな?
突き詰めるともっといろんな説が出てきますが、長くなってしまうのでウグイス色の語源の話はこれくらいでご勘弁。
気になる人はいろいろ調べてみてね!
『ウグイス色』はなぜ本物と色が違う?4つの説で紐解く|まとめ
お疲れ様でした。
どっと疲れましたね。
はたして最後まで読んでくれた方はいるのでしょうか(笑)
調べてみると面白いもんで、「なるほど〜」と納得できる説が意外とありました。
雑学王になった気分だゼ。
『うぐいす色』はなぜ本物と違う色なのか。
結論を言ってしまうと「人によって考え方がバラバラで結局よくわかっていない」!
さらに花札のイラストやメジロの存在も合わさって、誤解を生みやすい状況に拍車をかけているのもありゃりゃポイントですね(笑)
でも、それらしい説はちゃんと存在します。
大混乱のうぐいす色事情、いつかわかる日が来るのでしょうか。
うぐいす餅を食べる時にでも思いを馳せてみてください。
それではこの辺で失礼します。