こんにちは!えびちです。
突然ですが「ある地域限定の野鳥」といったら、どんな鳥を思い浮かべますか?
例えば、オーストラリアの『エミュー』。
アフリカにのみ生息する『ハシビロコウ』に、南極の『ペンギン』などは有名です。
「そこにしかいない生き物」ってなんかロマンがあっていいよな!
今度は日本国内で考えてみましょう。
『ヤマドリ』は日本にのみ生息する固有種です。
沖縄には『ヤンバルクイナ』がいます。
それでは、北海道にしかいない鳥はどうでしょうか?
あんな鳥、こんな鳥……あれ、意外とたくさんいますね。
実は北海道は島国なので本州とは違った鳥が多数生息しているんです。
ということで、この記事では、日本の中で北海道にだけ生息(または飛来)している野鳥をまとめました。
代表的な7種の野鳥と、最後には「本州にもちょっとだけ生息する北海道の野鳥」を2種類紹介しています。
みんなが知ってる『あの鳥』もいるかな?
それでは見ていきましょう。
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日本中で北海道にしかいない野鳥【7選】
釧路に生きる天然記念物『タンチョウ』
北海道の原住民、アイヌはタンチョウを『サロン・カムイ(湿原にいる神)』と呼びました。
その名の通り、タンチョウは大多数が北海道東部の湿原に生息しています。
北海道に限らず全国に地名や商品名、『千羽鶴』など、ツルにちなんだ言葉が数多く存在しています。
そうした言葉が多く残っているのは、かつてタンチョウが北海道全域で繁殖し、夏になると本州へ越冬のため渡りを行っていたからです。
タンチョウはちょっと前まで、本州でも見られたんだね。
明治以降、棲家である湿原の農地開拓や狩猟が重なり、数を大幅に減らしてしまいました。
その影響は色濃く残り、現在では北海道の限られた地域にしか生息していません。
最近はちょっとずつ生息域が拡大して、数も増えてきてるんだぜ!
ちなみに、本州では『マナヅル』と『ナベズル』の2種のツルが冬鳥として飛来することがありますよ。
緑のキツツキ『ヤマゲラ』
ヤマゲラは北海道に留鳥として生息しています。
緑色のボディが綺麗ですね!
亜寒帯から温帯域に広く生息しているので、世界では馴染みのある野鳥となっていますが、日本は北海道のみです。
あれぇ?たしか、本州にもヤマゲラそっくりの鳥さんがいたような…。
じつは、本州にヤマゲラは生息していませんが、かわりに『アオゲラ』というキツツキが生息しているんです。
逆に北海道にはアオゲラがいません。
『ヤマゲラ』と『アオゲラ』は大きさも同じ、色も同じ。
そっくりさんな二羽ですが、唯一違うのは生息地とおなかの横じま模様です。
ちなみにアオゲラは日本固有の野鳥ですよ。
鳥界のアイドル『シマエナガ』
北海道固有の野鳥と言われて、皆さんがいちばんに思い浮かべたのは『シマエナガ』かもしれません。
今や野鳥界のトップアイドル、みんな大好きシマエナガさんは北海道にのみ生息しています。
大きさは14cm。
ピンポン球の直径くらいと考えると、本当に小さいのです。
小さい上に、ちょこちょことすばしっこく動き回るので、姿を見つけるだけでも一苦労!
実際、「北海道には住んでいてもシマエナガを見たことがない」という人がほとんどです。
実は北海道の中心である札幌のど真ん中にある公園『大通公園』にも生息しているのに….という話は置いといて。
とにかく、残念ながらシマエナガに会うには最北の地、北海道に出向くほかないようです…。
でも、本州には原種のエナガが生息しているよっ!
シマエナガってエナガの亜種なんだよな。….たしか。
シマエナガについてもっと詳しく知りたい方は下の記事をどうぞ!
本州とは一味も二味も違う『エゾライチョウ』
体長は40cmで「カラスよりやや小さい」くらいの大きさのエゾライチョウ。
オスメスどちらも地味な茶色をしています。
オスとメスの見分けは簡単。
オスは喉元が黒色で、周りを白色帯がぐるっと取り巻いている点に注目しましょう。
本州のライチョウとの違いはなんだろ?
本州のライチョウと違う部分は、大きく分けて5つあります。
エゾライチョウ▶︎北海道の森林
ライチョウ▶︎本州の標高3000m以上の山々にあるハイマツ帯
ライチョウといえば、コロコロと変わる模様が有名ですよね。
夏はハデなすがたに、秋は枯れ葉の色に、冬は真っ白なすがたに。
本州のライチョウは計3回の衣替えを行いますが、エゾライチョウはず〜っと同じ姿のままなのです。
オスにもメスにも、エゾライチョウには立派な冠羽があります。
本州のライチョウにはありません。
本州のライチョウは、足から指先に至るまでフワフワの羽毛で覆われているのが特徴的。
エゾライチョウには羽毛がありません。
本州のライチョウは、カエルのようなしゃがれた鳴き声です。
エゾライチョウは笛のような鳴き声で鳴きます。
こんなに違うんだよっ。
ピエロみたいな顔の『エトピリカ』
エトピリカは根室半島沖の無人島で繁殖するユニークな顔の野鳥です。
名前はアイヌ語からとられていて、意味は「くちばしが美しい」。
映えるオレンジ色をした立派なクチバシと黄色の長い飾り羽が特徴的。
シルエットはややずんぐりむっくりしていて、愛嬌たっぷりです。
かつては道東の島々で繁殖していましたが、どんどん数が減って、現在は根室市のユルリ島とモユルリ島のみで繁殖が確認されています。
世界の総個体数は350万羽。
じきに日本からいなくなってしまうかもしれません。
世界最大級のフクロウ!森の賢者『シマフクロウ』
世界中で北海道の東部とロシアの一部にしかいない希少な野鳥であり、個体数は1000〜2500羽だと言われています。
北海道に住んでいても滅多にお目にかかれないシマフクロウですが、大きさは世界最大級。
全長60〜70cm、体重は3〜4kgにもなります。
シマフクロウの主食は魚。
川の近くの倒木や石の上で魚をじっと待ち、飛び込んでキャッチ!
おっきい体なのに、器用だなっ!
しかし、彼らが住める森は失われつつあります。
現在では、ボランティアによって生息地をまるごと保護区にしたり、巣箱や給餌場を作るなど個体数を増やす試みが続けられています。
コガラにそっくり『ハシブトガラ』
ハシブトガラは北海道の落葉広葉樹林に生息する小鳥です。
全長は12センチ!
あのシマエナガよりも小さいのです。
普段はヤマガラやシジュウカラなど、他のカラ類と群れを作り移動します。
ところで、ハシブトガラのこの見た目….『コガラ』に瓜二つだと思いませんか?
この2種は「クチバシの太さ」だったり「頭の黒色の微妙な濃さ」だったり、ハッキリした「ここだ!」っていう違いがないんです。
見分けの難しい野鳥は数多くいますが、ハシブトガラとコガラの見分けは群を抜いて難しいかも!
たしかに!全然違いがわからないよ。
個人的に、ここまで見分けが難しい野鳥はないと思ってます。
「我こそは!」という方はぜひチャレンジしてみてください。(笑)
おまけ:本州にも少数生息する北海道の野鳥【2種】
ここからは、下のようなケースの野鳥を2種紹介していきます。
本州の限られた地域にも少数生息するが、大多数が北海道に分布している。
日本最大級!迫力満点の『オオワシ』
オオワシは冬を越すため、主に北海道東部の知床や根室へ飛来してきます。
流氷の上に乗って睨みをきかせる姿は、正に『カパッチリ・カムイ(ワシの神)』といった風格でカッコイイですね。
その大きさは、なんと100cm!
日本国内に生息するワシタカ類で最大であり、国の天然記念物にも指定されています。
羽を広げれば、成人男性を優に超える大きさですよ。
また、日本に飛来するオオワシはほとんどが北海道に集中していますが、本州の一部地域には毎年少数が飛来しているようです。
まるでヒグマ!?真っ黒なキツツキ『クマゲラ』
『クマゲラ』は北海道と本州の白神山地にのみ生息するキツツキで、国の天然記念物に指定されています。
全長は46cmと、日本に生息するキツツキの仲間では最大級の大きさ。
飛んだらカラスみたいだったぜ!
全身真っ黒なので、正に「ヒグマ」といった風体ですが、キツツキのトレードマークである頭の赤色は健在です。
個体数は本州に100羽程度、北海道に500羽程度だとされています。
クマゲラは最近まで、本州には存在しない鳥とされていました。
しかし、昭和頃になって秋田県でクマゲラの繁殖が確認されたことをきっかけに、本州に生息していることが判明したのです。
北海道限定!本州では見られない野鳥|まとめ
お疲れ様でした。
いかがだったでしょうか。
北海道には、魅力たっぷりな野鳥たちが生息していることがわかりましたね。
それでは、今一度まとめてみます。
- タンチョウ
- ヤマゲラ
- シマエナガ
- エゾライチョウ
- エトピリカ
- シマフクロウ
- ハシブトガラ
- オオワシ
- クマゲラ
ロマンだぜ!
北海道に来たときは、珍しい僕たちを見つけてみてね!
それでは、この辺で失礼します。
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