こんにちは。えびちです。
最近世間を騒がせている鳥『サギ』
「住宅街でサギが大繁殖!」
「お城をサギ占拠」
「騒音悪臭で住民困惑…」
などなど、最近になってお騒がせ鳥としてニュースで話題に上がる機会が増えた鳥さんです。
こちらの記事でもサギたちは『害鳥』として取り扱いました。
そんなカンジで人々に(主に悪い方面で)広く知られてしまったサギさんですが、ニュースで騒がれているサギがなんて名前か知っていますか?
はい!『シラサギ』じゃね?
ニュースでもシラサギって言ってたぜ。
たいへんややこしいのですが、『シラサギ』という鳥は存在しません。
えーーっ!そうなの?
『シラサギ』というのは白いサギをまとめた総称で、実は『シラサギ』という名前の鳥はいないのです。
では、巷を騒がせているあの鳥はなんて名前のサギなのでしょうか?
そんな疑問に答えるために、この記事ではもっとも身近なサギ科の鳥たちを6種まとめました。
- アオサギ
- アマサギ
- ゴイサギ
- コサギ
- チュウサギ
- ダイサギ
「サギ科は見た目の区別が難しい」とも言われています。
特に『ダイサギ』と『チュウサギ』は鳥界の中でも屈指の見分けにくさ!
そんな彼らでも、唯一ひとつだけ見分けるポイントが存在します。
気になる!どうやって見分けるんだろう?
身近なサギの種類から、ややこしいサギ科の鳥たちを見分ける方法などなど…いっしょに見ていきましょう!
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日本で見られるサギ科の鳥
サギ科はこんなにたくさん
サギといえば、公園の池や田舎の畑などでよくみられる身近な水辺の鳥。
とはいえ都会にはあまりいないので、馴染みのない人も多いかもしれません。
一度会うと忘れられないくらい迫力のある鳥さんですが、日本にはいったいどれくらいのサギいるのでしょうか?
世界には約60種ものサギが、南極大陸以外のほぼ全域に生息しています。
日本ではおよそ18種が確認されており、生息地も海岸から畑、湿地、公園の池などなど…実に様々なところで生活しています。
水のあるところにはだいたいコイツがいるイメージです。
その中でも特に身近で親しみのあるサギは以下の6種。
- アオサギ
- アマサギ
- ゴイサギ
- コサギ
- ダイサギ
- チュウサギ
上から順に紹介していきますよ。
『アオサギ』
名前のイメージ通り、うっすら青みのかかった色が特徴的なサギです。
わかりにくいですが、頭の後ろにぴょこっと出ている『冠羽』がかわいいポイント!
黒いバンダナを巻いているようでオシャレですね。
大きさは約90cmと、日本最大のサギです。
沖縄を除く全ての地域に留鳥として生息していて、なかには校歌の歌詞に名前が登場するほど、なじみの深いサギでもあります。
よく畑にいるよな、こいつ。
でかいからすぐわかるぜ。
『アマサギ』
体長は50cmほどと(サギ類にしては)小さめ。
ふだんは全身が白色で、写真のようなオレンジ色が現れるのは繁殖期の夏のみ。
この色が「亜麻(アマ)」のようだから、『アマサギ』という名前がつけられました。
ライオンのタテガミみたいでかっこいーぜ!
日本には夏鳥として飛来する渡鳥で、冬になるとアフリカやオーストラリア、フィリピンなど広い地域に渡って越冬します。
アフリカからユーラシア、アメリカまで広く分布しているアマサギ…世界を股にかけるサギさんです。
『ゴイサギ』
ペンギン!?
いえ、れっきとしたサギの仲間です。
なんだか手のひらサイズを想像してしまいますが、大きさはこれでも58cmほど。
日本では北海道などの一部を除いて留鳥の位置付けなので、一年中見ることができます。
アオサギは黒色の冠羽でしたが、ゴイサギは白い冠羽を持っていますね。
まるっこくて、ずんぐり…..その可愛らしい見た目から、鳥好きの間で密かに人気が高い鳥さんです。
幼鳥は体に白い斑点があることから「ホシゴイ」と呼ばれ親しまれています。
シラサギの代表種は3種
シラサギという鳥はいない!
はじめにちょこっとお話しした通り、『シラサギ』というのは白いサギをまとめた総称。
つまり、『シラサギ』という鳥は存在しません。
じつは、こういうケースはよくあります。
みなさんがよく知るあの『キツツキ』も分類上の名前であり、キツツキという名前の鳥はいないんです。
びっくりですね!
話はもどって。
では、どのサギが『シラサギ』と呼ばれているのでしょうか?
代表的なシラサギは『コサギ』『ダイサギ』『チュウサギ』の3種です。
どのサギも真っ白で『シラサギ』の名にふさわしい綺麗な鳥たちですよ。
えーーっと、じゃニュースで『シラサギ』って言われてたのは『この3羽のどれか』ってこと?
そうなりますね。
気になる!全部教えてー
では、お次はシラサギと呼ばれる3種のサギを写真と共に比べてみましょう。
『コサギ』
体長は61cm。
シラサギの中で最も小さいのがこのコサギです。
繁殖期には写真のような二本の長い飾り羽が生えてきます。
『飾り羽』って冠羽のことじゃないの?
この飾り羽は繁殖期のみの一時的なものなので、一年中ついている冠羽とは区別して考えましょう。
そして、写真をよーく見てみると、足の先が黄色をしています。
これはコサギにのみ見られる特徴なので、ぜひ覚えておきましょう。
『ダイサギ』
体長89cmと、アオサギに次ぐ巨体を持っているダイサギ。
シラサギの中では最大です。
夏になると目先が綺麗なグリーンになります。
『チュウサギ』
体長は68cm。
コサギよりも若干大きく、ダイサギよりも小さいのが『チュウサギ』です。
コサギ・チュウサギ・ダイサギの名前は大きさ順
『シラサギ』と呼ばれる3羽のサギたちを紹介していきました。
もうお気づきの方もいるかもしれません。
この三羽の名前に注目してみてください。
『コサギ』…
『チュウサギ』 ……
『ダイサギ』…………
そう、名前が『小』『中』『大』となっているのです!
すごっ!オレわかんなかったけど!
ちなみに、えびちも最近まで全然気がつきませんでした。
…ということで、彼らを一番手っ取り早く見分ける方法は大きさを比べること。
この写真は左がダイサギ、右がコサギです。
へえー!こんなに違うんだなっ。
コサギは他の2羽との大きさは歴然だし、足先が黄色をしているので、見分けはとってもカンタン。
しかし、それが『チュウサギ』と『ダイサギ』になった途端、難易度はググッと上がります。
さらに「大きさを比べればいい」と一言に言っても、チュウサギ・ダイサギがちょうど隣どうしに並んでいる必要があるわけです。
…そんなの現実的ではないですよね。
それこそサギ山でも見つければ大きさの比較もグッとしやすくなるのですが。
じゃあ、見分ける方法はないの?
唯一、絶対に見分けられる方法がひとつだけありますよ。
…その前に、ちょっとした問題にお付き合いください。
激ムズ!ダイサギとチュウサギを見分ける極意とは
いきなりですが、ここで問題!
この写真に写っている4羽のサギの名前を答えてみてください。
えーっ!?う、うーんと…
復習も兼ねて、是非解いてみてください。
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時間切れ!
さあ、あび坊はどんな回答になりましたか?
こんなかんじかなぁ。
アオサギとアマサギはすぐわかったんだけど…
一番右のコイツが『チュウサギ』か『ダイサギ』かで迷ってんだよ。
アオサギと同じくらいの大きさってことは、この2羽のどっちかだろ?
うおーーー!わかんねーーー!!!
たしかに『ダイサギ』と『チュウサギ』は大きさがほとんど同じだし、足や体の色もそっくりです。
『ダイサギ』は夏になると目先がグリーンになるため、一見、顔の色で見分けられる気がしますが、夏以外はこの技が効きません。
季節に左右されないで、ダイサギとチュウサギを見分けるには?
一体どうすればよいのでしょうか。
注目すべきは、顔!
上の図をご覧ください。
注目すべきはクチバシの線、つまり『口角』!
緑色で線を引いたところが口角です。
赤色の線は目の後端。
この二つの線を比較してみると、違いが明らかになってきます。
『ダイサギ』は眼の後端を大きく超えて口角が伸びていますが、『チュウサギ』の口角は眼の後端とほぼ同じ位置で止まっていることがわかりますね。
この「口角がちょっと出てるか出てないか」が唯一ダイサギとチュウサギを見分けるポイントです。
こんな…ちょびっとの…あれで…?
この2羽がそっくりすぎて、逆にこれくらいしか見分けるポイントがないのです。
あとは一緒にいるサギ類と大きさを見比べて判断するとかですかね。
双眼鏡必須だな。サギを見にいく時には持ってった方がよさそう。
見分け困難!?シラサギ・アオサギを含めた身近なサギ類6種を解説|まとめ
お疲れ様でした。
これにて身近なサギ6種の説明は全て終了!
サギってけっこー種類いたんだな。
オレ、アオサギしか知らなかった。
サギは身近な鳥ですから、会ったことのない種類にもこれから出会えるかもしれません。
野鳥の中でも存在感のあるサギ。
昔は田畑に住み、湖に住み、のどかな田舎を象徴とする鳥でしたが、最近は都会に進出し、いろいろな被害が出始めています。
多くの人に知られることとなった今だからこそ、
「あのサギはなんて名前だろう?」
「どこから来たのかな」
観察し、調べ、サギについて知ってみるのも良いかもしれません。