こんちには!えびちです。
大群で世界中を飛び回る『渡り鳥』。
渡り鳥の代表として挙げられる『ハクチョウ』や『ガン』は多くの人にとって身近な存在です。
季節によって場所をかえる鳥を広く『渡り鳥』と呼びますが、そのなかには様々なタイプがあることを知っていましたか?
『ハクチョウ』は『冬鳥』だよな。
じゃ、ツバメとかウグイスはなんだろう?
この記事では一歩踏み込んで、5つある鳥類の渡り区分を解説していきますよっ。
- 『夏鳥』
- 『冬鳥』
- 『旅鳥』
- 『留鳥』
- 『漂鳥』
違いがぜんぜんわかんない!!
渡り区分をマスターできれば、その鳥の1年のサイクルを知ることができるので、頑張って覚えていきましょう。
読みたい記事にジャンプ
渡り区分は「時代」と「地域」に注目!
ところで、鳥類の渡り区分を考える上で 『地域』という要素は非常に重要なんです!
日本では『夏鳥』とされる鳥も他の国では『冬鳥』であったり、『留鳥』はどの地域を基準にするのかが重要。
さらにさらに、『時代』にも注目しなければいけません。
実は、「昔は冬鳥だったけど日本が住みやすくて留鳥になっちゃいました!」
という鳥さんもチラホラいたりいなかったり….。
『ヒヨドリ』や『ハクセキレイ』なんかがその例になります。
まじかー!意外だな!
ということで、この記事で紹介する区分は「現在の日本を基準にしたもの」だということを頭の片隅に置いておいてください。
渡鳥は『夏鳥』『冬鳥』『旅鳥』の3種類
先程挙げた5つの渡り区分ですが、そのうちで一般的に季節による渡りを行う『渡り鳥』とされるのは『夏鳥』『冬鳥』『旅鳥』の3種です。
春に来て秋に帰る『夏鳥』
まずは『夏鳥』から!
まずは百科事典の説明を見てみましょう。
春に日本より南の地域から渡ってきて繁殖し、秋に南の地域に渡って越冬する鳥。
言葉で言われてもよくわかんねー!!
そうだろうと思ってました。
文章で見ると、イマイチわかりにくいですよね。
ということで『夏鳥』とはなんたるかがひと目でわかる図を作ってみました!
おーッ。
これなら文字で見るよりわかりやすいかもー!
この図から、夏鳥は繁殖するために夏に日本を訪れ、冬に日本より南で越冬するということがわかりますね。
なるほど。
移動をするのはそのあいだの春と秋、ってわけか!
サクッと理解できましたでしょうか?
「夏鳥は繁殖のために日本を訪れる。」
ここがミソです。
このことから夏に日本で見られる鳥=夏鳥となりました。
ツバメ オオルリ カッコウ ヒバリなど
秋に来て越冬し春に帰る『冬鳥』
こちらも百科事典から抜粋。
秋に日本より北の地域から渡ってきて越冬し、春に北の地域に戻って繁殖する鳥。
なんか…さっきと変わんなくね?
さっきの『夏鳥』との違いがわからない?
ご安心を。
『冬鳥』も先ほどの夏鳥の説明イラスト同様、わかりやす〜い図を作っておきました!
こんどは冬に越冬するために日本を訪れ、そして夏には日本より北へ渡り繁殖する、という移動をする訳です。
このことから冬に日本で見られる鳥=冬鳥となりました。
北の地域、というのは中国の東部やロシアのシベリアなど。
夏はそれらの地域で繁殖をして、冬になると比較的暖かい日本で越冬をします。
「夏鳥と違い、冬鳥は越冬のために日本を訪れる。」
ここ、重要!
ガン・カモ類 ツグミ オオハクチョウなど
夏鳥と冬鳥の違いを比べてみよう
先ほどの画像を並べてみました。
並べてみると、違いがわかりやすいですね。
うんうん、どっちも春と秋に移動すんのは変わらねーんだなッ
日本では繁殖すんのか、越冬すんのかに注目だ。
春秋の移動の途中に日本に立ち寄る『旅鳥』
読み方は「たびどり」です。
夏鳥、冬鳥あたりは聞いたことがあるけど、『旅鳥』っていったい?
あまり馴染みがない言葉ですよね。
こちらも百科事典さんに聞いてみましょう。
渡りの途中で日本に立ち寄る鳥で、一般的には日本より北の地域にある繁殖地と、日本より南の地域にある越冬地を往復する鳥。
よし!まったくわからないから、いつもの図頼むぜ!
つまり、日本では越冬も繁殖もしない鳥、それが『旅鳥』です。
越冬地と繁殖地を往復するあいだの休憩ポイントに日本があるので、毎年渡りの時期になるとフラッと休憩しにやってきます。
マラソンのランナーみたい。
そうなると日本は給水所ってワケね。
時期は毎年春と秋に二回または一回。
滞在日数は1〜10日ほどです。
まさに『旅』をする鳥ですね!
シギ・チドリの仲間
渡らない鳥は『漂鳥』『旅鳥』の2種類
日本国内で移動する『漂鳥』(ひょうちょう)
『漂鳥』読み方は「ひょうちょう」です。
今まで通り読むと「ただよいどり」になりますが、なんだかおまぬけになってしまうので「ひょうちょう」でお願いします。(笑)
「ただよう」ですから、あっちへ行ったりこっちへ行ったり…。
夏鳥や冬鳥と変わらないような気がしますが、決定的に違うのは「日本国内だけで移動をする」ことです。
その中でも北海道を繁殖地とし、本州以南で越冬をする鳥が多いようですね。
さらには山地と平地を行ったり来たりする鳥も『漂鳥』にあたります。
この場合、山地で繁殖し、平地で越冬する個体が多いのが特徴です。
北海道や山地が繁殖地になっているんだね。
シメ マヒワ ウグイス アオジ など
ずっと同じ地域にいる『留鳥』(りゅうちょう)
とどまる鳥、と書いて留鳥。
その名の通り、日本の同じ地域にずーっと住み着いている鳥さんのことです。
基本的に季節による移動を行わず、同じ地域に一年を通じて生息しているのが特徴。
わかりやすい例でいうと『スズメ』や『カラス』『カワラバト』などなど…お馴染みの鳥さんが並びます。
彼らは一年中ずっと同じ地域にいるので『留鳥』の区分です。
シジュウカラ スズメ メジロ キジなど
日本の留鳥は28種類ほどいるようですね。
え。意外と少なくない?
”日本の野鳥でなんらかの移動をするものは全体の60%にのぼるであろう”
って本に載ってたくらいだから、ずーっと同じ地域に住む留鳥は案外少ないんだよっ。
あ、ちろりだ。
ちなみに僕はシマエナガだから、留鳥!
おまけ:『迷鳥』とは?
最後に、本によって渡りの区分に入っていたり、入っていなかったりするのが『迷鳥』(めいちょう)です。
まぼろしの6つ目ということで、ご紹介させてください。
本来はその地域に生息も渡来もしない鳥で、渡りのコースから外れたり、台風で飛ばされたりして迷い込んで現れるもの。
その名の通り『迷い鳥』ってことです。
本来は日本にやってこないはずの鳥が、台風や群れからはぐれたなど、なんらかのハプニングで日本に迷い込んでしまったのが『迷鳥』です。
普段は絶対に見ることのできない鳥が日本で見られるわけですから、迷鳥が確認されると筋者のバードウォッチャーたちがゾロゾロと観察に訪れるそうですよ。
よく迷鳥が目撃されるポイントなんてのもあるみたいで、
「山口県の見島や長崎県の対馬など、日本海の離島がイイ!」
と鳥好きの間でまことしやかに囁かれています。
アネハズル モリツバメ インドガンなど
鳥類の渡り区分の基礎知識|まとめ
ザザーッと一気に説明して参りましたが、5つの渡り区分の違い、だいたい理解できたでしょうか。
いま一度まとめてみましょうか。
渡鳥の種類は3つ
渡らない鳥の種類は2つ
おまけの1つ
なんか、わかった気がするぜ!
うん。
身近な鳥の分類を調べてみるのも楽しそう。
渡り区分を知っていれば、この鳥はどこから来たのか、どこでヒナが見られるのか…いろいろと考えが広がりますね。
それでは、この辺で失礼します。
[…] 』を比べてみた|鳥類の渡り区分:えびちのとりどり 渡り鳥の種類は5つ!『夏鳥』『冬鳥』『旅鳥』『留鳥』『漂鳥』を比べてみた|鳥類の渡り区分 | えびちのとりどり (ebchirori.com) […]