
こんにちは!えびちです。
古来より作られ、そして現代に至るまで日本人に親しまれてきたのが『ことわざ』です。
生活体験から来た知識や教訓・風刺などを示しています。

有名なものなら、日常会話やたとえ話の時によく使うよね。

ところでちろりは『鳥』にまつわることわざ、知っていますか?

えっ?うーんと…
『立つ鳥跡を濁さず』
『能ある鷹は爪を隠す』

考えてみたら、鳥にまつわることわざっていっぱいあるなぁ。
みなさんはいくつ知っているでしょうか。
今回は『鳥』にまつわる有名なことわざをまとめてみました。
あわせてその意味や作られた経緯も解説しているので、ぜひ最後までお付き合い下さい。

一緒に「鳥ことわざ博士」になっちゃいましょう♪
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1〜5文字の鳥にまつわることわざ【6つ】
『雀の涙(すずめのなみだ)』

ごく僅かなものの例え。
一つ目のことわざは『雀の涙』。
もちろん、実際に鳥が涙を流すことはありません。
小さなスズメの流す涙ほど、ごく僅かな量であることを例えたことわざです。

どれくらいの分量?

….「ピチョン」くらいじゃないでしょうか?

涙じゃなくて例えの量のことだよ。

…ニ、ニュアンス的には「ちょびっとだけど、あるだけマシ」といった具合で使うことが多いです。
『梅に鶯(うめにうぐいす)』

取り合わせのよい二つのもの、よく似合って調和する二つのもののたとえ。仲のよい間柄のたとえ。
春、鮮やかに咲いた梅の花にウグイスが訪れる様子が非常に風情があることから、相性の良い取り合わせであることを指して『梅に鶯』のことわざが作られました。
ただ、実際にウグイスが梅の木に止まることはほとんどありません。
主食が花の蜜ではなく、昆虫だからです。

逆に梅の木によく来る鳥は『メジロ』だよ。
間違えないように覚えておこう!
昔の人は「こんな光景があったら風流だなぁ〜」と考えて、このことわざを作ったのかもしれませんね。
ちなみに下のことわざも同じ意味で使われますよ。
『竹に雀』『松に鶴』『波に千鳥』
▼ウグイスとメジロの違いは下の記事でまとめました♪

『目白押し(めじろおし)』

『目白押し』は特に普段よく使うことわざではないでしょうか。
たくさんの人や物・行事が隙間なく詰まっている様子。

目玉商品が『目白押し』だー!って言うよね。

でも、なんで『メジロ』なの?
メジロは木に止まる時、体を寄せ合って、数匹でずら〜っと並んで枝に止まる習性があります。
その様子から「メジロが押し合っている」=「目白押し」となりました。
ちなみに、あの有名なシマエナガも同じ行動をとるんですよ。
巣立ったばかりの雛たちがぎゅうぎゅうにくっついて枝に止まる…その様子は「エナガ団子」と呼ばれています。

可愛すぎるので、興味のある方は調べてみてください。
『烏の行水(からすのぎょうすい)』

入浴時間がとても短いことのたとえ。
カラスに限らず、鳥類は体についた汚れを落とすため『水浴び』をする習性があります。
しかし、人間のように10分も20分も水に浸かり続けることはないので、その様子が「早風呂のようだ」として『烏(カラス)の行水』と例えられるようになりました。
実際、カラスの水浴びは1分〜2分ほどでササッと終わります。
『鶴の一声(つるのひとこえ)』

バラバラの意見を一瞬で決定させる権力者の一言。
『鶴の一声』は多くの人が話し合ってもなかなか決まらなかったことが、力のある人の一言ですぐ決まってしまうことをいいます。
威嚇や縄張り宣言、つがい間での鳴き合いになると、くちばしを空へ向けて「コーウ」と鳴きます。
タンチョウの鳴き声は遠くまで響きわたる「天にも届く声」とされ、周りの生き物を圧倒する迫力があるのです。
この鳴き声が権力のある人の発言に例えられました。

間近で聞くとすごい迫力ですよ。
『烏合の衆(うごうのしゅう)』

ただ集まっただけで規律もなく騒ぐだけの集団。
語源の鳥はカラスを指しています。
なぜなら….よ〜く漢字を見てみてください…。


あっ、横棒が一本ないよ。

烏合の衆は『鳥』ではなく『烏(カラス)』だったんです。
たしかに、ガヤガヤと騒がしく集まっている集団といえば…カラスがピッタリかもしれません。
6〜11文字の鳥にまつわることわざ【7つ】
『閑古鳥が鳴く』

人が集まらず、寂れていて物悲しい雰囲気の山里。または商売がはやらない様子。

閑古鳥…聞いたことのない野鳥ですが、なんの鳥かわかりますか?

僕知ってるよ!
たしか『カッコウ』だよね。
カッコウは人の少ない山里や深い森に住んでいるため、ひっそりとしていて物寂しい雰囲気があります。
そんな様子は、いつしか「ガラガラの商店」や「寂れている町」を指して使うようになりました。
『鳶が鷹を産む』

平凡な親がすぐれた子を生むことのたとえ。

有名なことわざなので、説明は不要かな?

でも、トンビよりもタカの方が賢いと思われているのはなぜだろう?
トンビもタカも、どちらも同じタカ科。
タカ代表ともいえるオオタカは里山や山地に生息していて、白と黒の羽毛や眉班がキリッとしていて高貴な印象を受けますね。
一方のトンビは…人の多い市街地にも生息し、死肉やゴミを漁る『掃除屋』としての一面があります。
人馴れしたトンビの中には、食べ物を持った人を襲う個体も…。
そういった違いが『鳶が鷹を産む』のことわざを生み出したのかもしれません。
類義語は、下の2つ。
百舌鳥が鷹を生む
鳶が孔雀を生む
『立つ鳥跡を濁さず』

去り際が見苦しくなく、きっちり後始末ができているさま。
水鳥が水辺から飛び立った跡は、濁り一つなく綺麗な状態であることから作られたことわざです。
水鳥といえばハクチョウ。
彼らは冬になると、湖から湖へ移動をして越冬します。
訪れた土地を汚さないように、跡を濁さずに立ち去る姿はステキですね。
留鳥であるサギも比較的きれいに飛び立つそうですよ。

ちなみにカモは羽を散らすし水も濁します。

水鳥でも千差万別だね!ジュリッ♪
『一富士二鷹三茄子』

初夢に見ると縁起が良いとされるもの。
お正月になるとよく聞くことわざですね。
縁起の良いものを並べたことわざで、この三つを初夢に見ると運気が上がるとされています。
鳥の中でも、最も縁起のいい鳥として見事抜擢されたのが鷹(タカ)。
タカには「高い」ということで、出世栄達の意が込められていますよ。

鷹と富士山は相性抜群で映える取り合わせ。
運気の良い鳥としてピッタリかも?
『鶴は千年・亀は万年』

長寿や縁起を祝うときのことば。
「長生きな生き物は?」
といえば、鶴と亀を思い浮かべますよね。
「長寿」で「おめでたい」イメージがある鶴と亀。
この考えは古来より中国から伝わりました。
中国前漢時代、当時の書物に「鶴は千年、亀は万年の寿命を持つ」との言い伝えが残されています。

飼育下のタンチョウは40年生きたって記録もあるよ。

亀の長寿記録は『ガラパゴスゾウガメ』で、175歳…。

長寿な生き物というイメージも、あながち間違っていないかもしれません。
『能ある鷹は爪を隠す』

才能や実力のある者は、むやみに能力をひけらかしたりしないことのたとえ。
タカを含め、猛禽類には鋭い爪が生えています。
果たしてことわざ通り、出したり引っ込めたりすることができるのでしょうか…?

ネコはできるけど、鳥には無理じゃないかなぁ?

ことわざ通りにはできません…。
ものの例えということで。
ただ、猛禽類は非常に目が良いので、上空から獲物を見つけるとあっという間に急降下で襲い掛かります。
急降下の際は脚も爪も体にピッタリとつけるので、隠しているように見える…かもしれません。
『鳩が豆鉄砲を食ったよう』

突然の出来事にびっくりして、唖然とする様子。
いよいよ最後です!
13個目のことわざは『鳩が豆鉄砲を食ったよう』。
字面だけ見ても「豆鉄砲」「食う」….。
う〜ん、謎です。
日常会話や字面では違和感なく使えていますが、よく考えたらどういう意味だコレ?
調べてみると、豆鉄砲は「竹筒に息を吹き入れて豆を飛ばすおもちゃ」のようです。

今の世代じゃ馴染みがないおもちゃだね。
きっと昔の子供たちは、豆鉄砲をハトに向けて打って遊んでいたのかな?
見事豆が的中したハトが驚いて逃げる様子から『鳩が豆鉄砲を食ったよう』のことわざが生まれました。

ハトさん、不憫!

余談ですが「鳩が豆鉄砲を食う絵」まで用意しているイラスト屋さん、流石です。
『鳥』にまつわる有名なことわざ13|まとめ

お疲れ様でした。
鳥にまつわることわざを13個、ざざーっと見ていきましたね。
いかがだったでしょうか。
ことわざができた経緯を調べていくと意外にも面白い事実がたくさんありました。
今回取り扱ったのは、あくまでも有名なことわざのみ。
鳥を題材にしたことわざはまだまだたくさんあるので、興味の湧いた方は調べてみてはいかがでしょうか。

それじゃ、ばいば〜い!

